ティーチングプロの野山佳治です。

いよいよ12月に入り、本格的な冬ゴルフのシーズンが到来しました。寒さやコースコンディションの難しさから、冬になると「スコアが崩れやすい」「ゴルフが難しくなる」と感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、ご安心ください。冬ゴルフには冬ゴルフなりの攻略法があります。
今回は、スコアを大きく崩さずに冬のラウンドを乗り切るための基本戦略と上達に繋がるヒントを詳しくお伝えします。この時期ならではの難しいコンディションを味方につけて、ライバルに差をつけましょう!

1. 寒い時期の「スイング」戦略:フルスイングは禁物!
冬ゴルフでまず見直したいのがスイングです。
ウェアの着込みすぎに注意する
冬は寒さ対策で重ね着をしがちですが、厚着しすぎるとスイングが妨げられ、スムーズな体の回転ができなくなります。
- 対策: 暖かいインナーや機能性ウェアを着用し、スイングの邪魔にならないよう、なるべく薄着を心がけましょう。厚手の服を何枚も重ねるより、高機能な防寒着を着用する方が効果的です。
無理にフルスイングをしない
重ね着の影響で可動域が狭くなるため、夏と同じようにフルスイングをしようとすると、軸がブレてミスの原因になりやすいです。
- 対策: 飛距離を求めすぎず、スリー・クォーター(4分の3)スイング程度のコンパクトな振り幅で「確実にミートする」ことを優先しましょう。コントロール重視の意識を持つことで、かえって安定したショットが生まれます。
2. 賢く攻める「コースマネジメント」戦略
冬のコースコンディションの変化を理解し、クラブ選択や攻め方を調整することが重要です。

飛距離のロスを考慮した番手選び
気温が低い夏場よりも飛距離が出ません。
- 対策: 状況に応じて1番手、場合によっては2番手上げてクラブを選びましょう。特にキャリー(ボールが空中に飛ぶ距離)が落ちることを計算に入れ、夏場なら越えられた池やバンカーも届かない可能性があることを頭に入れてください。
ラン(転がり)を活かす攻め方
冬場は芝の元気がなくなっているため、ドライバーなどで打ったボールのランが多く出ます。
- 対策: ランが出ることを計算に入れて、グリーン手前の花道や、転がして寄せられるエリアを狙いましょう。一方で、夏の感覚で打つと、ランが出すぎて思わぬ池やバンカーに転がり込んでしまうリスクも考慮が必要です。
3. 薄いライへの対処法とグリーン攻略
冬のコースでスコアを左右するのが、薄くなった芝のライ(ボールの位置)と、刻々と変化するグリーンの状態です。
ダフリ・トップを防ぐ!「ボール位置と打ち方」
冬は芝の元気がなくなり、ボールが地面にペタッと沈んだような「薄いライ」が多くなります。夏のように芝がティーアップされた状態ではないため、ダフりやトップが出やすくなります。
- 対策:
- ボールの位置を普段よりわずかに右足寄りにする。
- アイアンショットでは、ボールを上から打ち込むような意識を持つ(ダウンブロー)。
- ボールをすくい上げるようなスイング(アッパーブロー)を避け、低い球を打つイメージを持つと、ミスが減ります。
一日の中で変わるグリーンの状態を読み解く
冬のグリーンは、一日の気温変化によって状態が大きく変わるため、特に注意が必要です。
| 時間帯 | 気温・コンディション | 対策(パット) |
| 早朝 | 凍っている可能性がある | 手前から攻める。パットは意外に転がらないことを想定。 |
| 午前中 | 氷が溶け始め、湿って重くなる | しっかり打ち切る。強めに打つ必要がある。 |
| 昼前後 | 乾燥して乾き、速くなる | タッチを合わせる慎重なパットが必要。 |
| 夕方 | 再び湿気て、重くなる | 再度、しっかり打つ意識に戻す。 |
- 対策: 毎ホール、前の組のボールマークや、自分のアプローチ、同伴者のパットなどから、グリーンの状況変化をしっかりと読み取る観察力と、それに対応する柔軟性が求められます。

4. スコアメイクに欠かせない「メンタル」戦略
冬ゴルフにおいて最も重要なのは、メンタルです。
冬の難しいコンディションでは、夏場と同じスコアはなかなか出ません。スコアが悪かったとしても、「自分が下手になったわけではない」と理解することが大切です。
- 冬ゴルフのメンタル原則:
- 「夏よりスコアは悪いものだ」と、あらかじめ頭に入れておく。
- 結果が悪くても、それは「コンディションが難しいからだ」と割り切る。
- ネガティブな感情に引っ張られず、目の前のショットには「ナイスショットを打つ」イメージを集中させる。
冬のタフな状況で集中力を切らさず、諦めずにプレーし続けることで、メンタル面が鍛えられます。
🏌️♂️ 冬ゴルフは上達のチャンス!
冬ゴルフは難しいですが、その難しいコンディションでプレーを続けることは、ゴルフ上達に直結します。
芝の薄いライからの正確なコンタクト、風の強い日での低い球を打つ技術、変化するグリーンへの対応力など、夏場では身につきにくい実践的な技術と、強靭なメンタルが鍛えられます。
さらに、冬はゴルフ場が比較的空いており、料金も安くなるというメリットも多くあります。
「冬眠」せず、ぜひ積極的にコースに出かけて冬ゴルフを楽しみ、来たる春に向けてレベルアップを図りましょう!
最後までお聴きいただき、ありがとうございました。



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