冬になると、いつものように打ったつもりでも球が上がらず、グリーン周りでは手前の芝を打ってしまう。スコア100前後で伸び悩んでいる方にとって、冬のゴルフは難しく感じやすいものです。芝が薄くなるだけでなく、強い風や寒さ、重ね着による振りにくさも加わります。だからこそ、まだ気候のよい秋のうちから、冬に使える打ち方を準備しておくことが大切です。
私がおすすめしたいのは、低い球、ランニングアプローチ、ヒールを浮かせるアプローチの3つです。どれも冬だけに使う特別な技術ではなく、今の季節にもスコアを整える助けになります。難しい条件を経験する冬のラウンドは、技術や状況判断を磨く機会にもなります。まずは普段の練習に、この3つを取り入れてください。
風と薄い芝に備える低い球の練習

冬に向けて、最初に練習していただきたいのが低い球です。冬は風が強くなることに加え、芝が薄くなり、ボールのライ(ボールが置かれている状態)も難しくなります。そうした場所から打つときに、低い球を打つ方法が役立ちます。高く上げる打ち方だけで対応しようとせず、低く運ぶ選択肢も持っておくことが大切です。
アイアンで低い球を打つには、まずボールをいつもより少し右に置き、若干左足に体重をかけてアドレス(打つ前の構え)を取ります。そこから少し上からボールを打ち、フォロースルー(打った後の振り抜き)は大きく取りすぎないようにしてください。ボールの位置、体重のかけ方、振り抜きの大きさを、順番に確認してから打ちましょう。
低い球というと、上級者向けの難しい技術に感じるかもしれません。しかし、もっと取り組みやすい方法もあります。いつも使うものより1番手か2番手大きいクラブを持ち、振り幅を小さくする方法です。ハーフスイング(半分ほどの振り幅)やスリークォーター(4分の3ほどの振り幅)で打つだけでも、球を低く出しやすくなります。
練習場では、普段のクラブで普通に打った球と、大きい番手で振り幅を抑えた球を見比べてみてください。同じように遠くへ飛ばそうとして大きく振ると、振り幅を小さくする練習から離れてしまいます。まずは、クラブを替えて小さく振ると球の高さがどう変わるかを確認しましょう。難しい動きを増やすより、取り組みやすい方法から始めれば十分です。
低い球は風の影響を受けにくく、方向性をよくしたい場面にも有効です。冬だけでなく、ピンを狙うときや打ち下ろしのホールでも使えます。毎回大きく振るだけではなく、狙った方向へ低く運ぶ練習も加えてください。今の季節から慣れておけば、冬のコースで風が強くなったときにも、普段から練習している打ち方として選びやすくなります。
薄い芝では転がすアプローチを磨く

次に準備しておきたいのが、グリーン周りのアプローチです。冬は芝が薄くなるため、ボールを正確に捉えることが難しくなります。普段なら気にならないようなライでも、いざ構えると打ちにくく感じることがあります。冬になってから寄せ方に迷わないように、今のうちに、できるだけやさしく打てる選択肢を練習しておきましょう。
そこでおすすめするのが、ランニングアプローチ(低く出して転がす寄せ方)です。なるべくロフトの立ったクラブ、つまりフェースの上向きの角度が小さいクラブを使います。ボールを高く上げることよりも、転がして寄せることを考えてください。ランニングアプローチは打ちやすく、寄る確率も高くなるため、まず身につけておきたい方法です。
アプローチというと、ボールをふわりと上げてピンの近くへ運ぶイメージが強い方もいるでしょう。ただ、芝が薄くて正確な当たりが難しいときには、上げる打ち方だけで寄せようとすると選択肢が狭くなります。転がして寄せる方法を練習しておけば、同じグリーン周りでも、ボールの置かれた状態に合わせて使う打ち方を考えられるようになります。
練習では、ロフトの立ったクラブを持ち、低く出た球がどのように転がっていくかを確かめてください。打った直後の球だけを見るのではなく、転がって止まるところまで見届けることが大切です。強く打ったときと小さく打ったときで転がり方がどう変わるかを確認すると、ただ球を打ち続けるよりも、寄せるための練習として取り組みやすくなります。
私は、冬に備える練習だからといって、冬まで使うのを待つ必要はないと考えています。ランニングアプローチは、今のようなゴルフに適した季節にも有効です。グリーン周りで転がして寄せる機会があれば、練習した打ち方を試してください。薄い芝への対策をきっかけに、普段の寄せ方にも選択肢を増やしておくことが、冬のスコアにもつながります。
ヒールを浮かせてパターのように寄せる

冬の薄い芝で、特に有効なのがヒールを浮かせるアプローチです。ヒールとは、クラブヘッドのシャフトに近い側の部分です。ここを浮かせ、反対側の先端に当たるトウ側だけが地面に触れるように構えます。普段のアプローチと構え方は変わりますが、パターのように打つ方法として覚えておくと、薄いライから寄せるときに役立ちます。
この構えのよいところは、地面から受ける抵抗を少なくできることです。少しダフる、つまりボールより手前の地面にヘッドが触れても、クラブヘッドが滑りやすくなります。そのため、地面にヘッドが引っかかってボールがほとんど進まない、いわゆるチャックリになりにくいのです。薄い芝から打つときのミスを減らす方法として練習してください。
構えるときは、ボールに少し近く立ち、クラブをパターのように握ります。そのうえでヒールを浮かせ、トウ側だけを地面に触れさせてください。構えができたら、肩の回転でパターのように打ちます。いつものアプローチの構えのまま打ち始めるのではなく、ボールとの距離とヘッドの接地の仕方を確かめてから、動作に入りましょう。
初めて練習するときは、打つ前にヒールが浮いているか、トウ側が地面に触れているかを目で確認すると分かりやすくなります。その後、肩を動かしてボールを打ち、ヘッドがどのように地面を通るかを確かめてください。パターのように打つつもりでも、構えが普段と同じに戻ってしまえば、この打ち方の特徴を確かめにくくなります。まず構えを整えることが大切です。
この方法も、冬だけに限った打ち方ではありません。今から練習しておけば、冬の薄い芝に備えながら、普段のアプローチにも役立てられます。冬は寒さや風、重ね着による振りにくさに加え、状況によってはグリーンが凍ることもあります。その中でどう打ち、どうスコアをまとめるかを考える経験も上達につながります。使える技術を今から準備しておきましょう。
まとめ
冬ゴルフに向けては、低い球と2つのアプローチを今のうちから練習しておくことが大切です。
- 低い球は、ボールを少し右に置く方法や、大きい番手で振り幅を抑える方法から練習する。
- 薄い芝では、ロフトの立ったクラブで転がすランニングアプローチを選択肢に加える。
- ヒールを浮かせ、トウ側だけを接地させてパターのように打つ寄せ方も身につける。
次の練習では、まず大きい番手で小さく振り、普段の球との高さの違いを確かめてください。アプローチの練習にも2つの寄せ方を加え、冬の難しい条件に対応できる準備を進めましょう。
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